二ツ鳥居 町石道120町石沿いの道標の近く

高野山麓・標高450メートルの高地に広がる天野盆地

高野参詣道・町石道に立つ二基の石鳥居です。ここから天野を展望することができ、丹生都比売神社の遥拝所とされます。またここから丹生都比売神社への参詣道・八町坂が続いています。
空海は、女神である丹生都比売大神とその息子である高野御子大神(狩場明神)を祀ってこれらの鳥居を建てました。
1000年以上にわたって、参詣者は高野山に登り始める前に丹生都比売神社で守護神に参拝するためこれらの鳥居をくぐってきました。晴れた日には、何世紀も昔からほとんど変わらない天野の里の水田を一望する景色を眺めることができます。

天野の里が見えます、高野山麓・標高450メートルの高地に広がる天野盆地です。
四季折々の豊かな自然に包まれ、初夏にはゲンジボタルが舞い、秋には黄金に輝く稲穂の海が揺れる天野の里は、「日本の里100選」に名を連ねています。
随筆家の白洲正子は「かくれ里」の中で〝天野の名にふさわしい、天の一角に開けた広大な野原〟として、その美しさを「高天原(神々の世界)」にたとえました。天野の里は、丹生都比売大神の霊地であるとともに、平家物語ゆかりの伝承を残す地、また高野山女人禁制の時代に、出家した女性が庵を結んだ女人高野でもあります。