伏拝王子にある、平安中期の歌人・和泉式部の供養塔

自然崇拝や仏教、神道、修験道など多様な宗教が共存する熊野

皇太子さまも伏拝王子に熊野詣

ここは伏拝王子、熊野古道をなんとか歩いてきた参詣者が、大斎原をはじめて望むことができたため、遠く望んで伏し拝んだとされています。それだけ感動だったのと、ようやくついた安ど感があったと思います。
平安時代の有名な歌人、和泉式部がここ伏拝王子に来た時に月のものになったそうで、当時は不浄とされていたのでもうおまいりできなくなると嘆いた歌があります。

晴れやらぬ身のうき雲のたなびきて月のさわりとなるぞかなしき

すると、和泉式部のもとにその夜、夢に熊野権現が現れて

もとよりも塵にまじはる神ならば月のさわりもなにかくるしき

と告げたので、そのまま参拝できたといわれていまして、自然崇拝や仏教、神道、修験道など多様な宗教が共存する熊野、では不浄なものも関係ないのです。罪人も悪人も善人も紙も仏も区別しないという熊野の思想の現れです。

なお発心門王子から熊野大社さんまでは、なかなかのハイキングコースなので女性も大丈夫、お茶屋もあって一息ついて歩けます。