奇絶峡の大迫力の磨崖三尊大石仏(まがいさんそんだいせきぶつ)

不動滝から登山道を進むと巨大な一枚岩に刻まれた「磨崖三尊大石仏」

阿弥陀仏は7.3メートルの高さなので、奈良の大仏様の約半分の大きさだそうです。

大石仏縁起 (田辺市仏教会藤堂俊章)に、
「田辺市の橋本豊吉居士は早くより南紀景勝の地に石仏造立の誓願を立て、八方にその適 地を求めて心をくだきついに善縁に恵まれ名勝奇絶峡にそびえる巨巌に適地良石を発見す るに至りしも、第二次世界大戦俄かに起るやその志願一時中止の止むなきに至る。今わが 国土に平和の春よみがえるや同居士は、 田辺市並びに田辺市観光協会及び地元上秋津愛郷 会を動かし、この三者の発願により、日本芸術院会員堂本印象画伯に弥陀、観音、 勢至の 三尊仏の原画揮毫を依頼し、同画伯指導のもと三ヶ月
の月日を費やし、厚肉彫の優れたる磨崖大石仏が彫刻され永年にわたる悲願がここに成就した。 時に昭和四 十一年四月八日、奇しくも仏陀生誕の聖日。
これ全く衆縁和合の然らしむる処、けだし仏心の顕現 というべし。願わくは弥陀三尊、人生々活の光明とな と共に永く平和のシンボルとして世界平和の将来に
護念を垂れ給わんことを。合掌」 と記されている。

昭和四十六年七月一日発行 田辺市誌 (二)より抜粋